スポーツ整形
Sports Orthopedics
スポーツ整形
Sports Orthopedics
スポーツにケガはつきものです。捻挫や打撲、骨折などスポーツ中のケガも多いですし、それ以外にも使いすぎ(オーバーユース)による痛みも多くあります。
当院では、その痛みに対する治療とともに、なぜその痛みが起きたのかを考え、その痛みを繰り返さないことを重視します。そのためには、リハビリテーションがかなり重要になり、例えばケガでしばらくスポーツを休止せざるを得なくなっても、そこからすでにリハビリを開始することで次のケガの予防をしなければいけません。特に、オーバーユースによる痛みであれば、同じスポーツに同じフォームで復帰すれば、もちろん同じ場所にまた負担がかかり、同じことを繰り返します。
スポーツ休止の間に肉体改造が必要になり、それは時間がかかるものなのでケガの早期から始めることが大事です。
当院では、患者様の年齢やスポーツレベルから、どの時期が大事なのかを考え、運動療法から各種治療機器を使用した物理療法まで、一人ひとりの症状に適した内容の計画を作成し、元の状態より高いパフォーマンスでの競技復帰をめざします。
背中を反らす動作や体をひねる動作を繰り返すことで、腰椎という腰の骨に疲労骨折が生じている状態です。
小学生~中学生に発症することが多く、特定方向への動作を繰り返すスポーツ(野球・サッカー・テニス・バレーなど)で、発症しやすいとされています。10代前半で2カ月以上続く腰痛は60%以上が腰椎分離症というデータがあり、最近では10歳未満での発生についても報告があります。
また、この疲労骨折を初期で発見することができれば、治る確率が90%以上で期待できますが、発見が遅れるとこの確率が下がってしまいます。治療はまずはスポーツの休止にはなってしまいますが、この休止期間のリハビリが、その後の競技人生に最も重要となります。というのも、同じスポーツに同じフォームで復帰したならば、3人に一人が分離(疲労骨折)を再発します。分離症患者様の特徴は股関節が硬く、体力が低いといった特徴がありますので、リハビリでの肉体改造、フォーム見直しを行います。
さらに、最近ではこの分離部分に超音波療法を行うことで早く治ることが報告されています。当院でも、再診の超音波機器を導入し、早期復帰を目指します。
野球肘は大きく分けると肘の内側と外側に大別されます。
このうち、内側の痛みが全体の8割と言われています。内側の痛みは、投球によって内側側副靱帯という靱帯が強く引っ張られることによるものですが、小児期ではこの靱帯よりも、靱帯がつく骨の部分が弱いため、この骨の部分で亀裂(剥離骨折)を起こします。外側の障害では、軟骨というところに障害があることが多く、こちらの方が治療に難渋することがあります。
野球肩は、リトルリーガーズショルダーとも呼ばれ、成長期の肩の上腕骨という部分で骨が引っ張られて骨に亀裂が入る(骨端線離開)状態です。受診される患者様の野球レベルは様々でも、まずは投球休止の期間がありますが、そこの過ごし方がとても重要になります。競技復帰に向けて積極的なリハビリテーションを展開し、元のパフォーマンス以上のものを引き出すことを目標とします。また、復帰の時期には球数、投げる距離など具体的な指示がなければ困ってしまいます。
当院では、できる限り明確な指示で目標をもって治療・リハビリを進めていきます。
足首の捻挫はスポーツ外傷の中で最も頻度が高いものです。
けがの程度はさまざまで、足の関節の外側が少し腫れる程度から、内出血で紫色になることもあります。捻挫とは、大人の場合は靱帯が傷つく(断裂する)ことが多いですが、成長期では靱帯よりも靱帯がつく骨の方が弱いため、剥離骨折など骨が傷つくことが多いです。捻挫の治療では、初期治療がとても大事になります。少し大げさでも、しっかり固定し、松葉杖などで体重をかけないことが重要になります。これをおろそかにしてしまうと、痛みが長引いたり、捻挫ぐせとなって何度もひねってしまったりします。
捻挫の治療でも、競技復帰に向けた具体的なスケジュールが大事で、次の大事な試合・大会はいつなのか、患者様と相談しながら治療を進めます。
練習や試合が過度になると、いろいろな部分に疲労が蓄積し、その部分の痛みが出ることがあります。
最初のうちは、疲労性骨膜障害と言われる、疲労骨折の一歩手前であることも多いです。部位はスポーツによって様々で、ひねりの多い競技での腰(分離症)や陸上競技・サッカーでのすねや足が多いですが、そのほかにもテニスで肋骨や剣道で踵を疲労骨折することもあります。疲労骨折となると、一般の骨折よりも長くかかることが多く、数カ月から年単位になることもあります。これは、治療の遅れが原因の一つで、最初の疲労性骨膜障害の状態では痛みが軽度のために受診しないことが多く、そのまま競技を続けてしまい、結果として疲労骨折とわかったころにはすでに時間がたってしまっていることが少なくありません。
疲労骨折するほど熱心に活動していたわけなので、治療が長引き、競技に復帰できない期間が長い場合のストレスはかなりつらいものになります。同じ部位に痛みが繰り返す場合には、早期に受診していただき、早くから適切な治療をすることが重要です。